Sunday, November 19, 2017

能動的想起 (active recall) を勉強に取り入れよう

先週の授業の中で「ICS受講生へのアンケート」を実施しました。まだ回答していなければ今からでも良いので、回答してください。受講生にとって回答することは義務となっています。

この投稿では次の質問に対する回答結果についてコメントをしたいと思います。
12. Moodleのクイズの準備をどのようにしていますか?(複数回答可)
  1. 今まで、あまり準備していない (14人)
  2. パソコンで動画を見る (16人)
  3. ブログにあるテキストを参考にする (7人)
  4. スマホで動画の字幕などを見ながら音を聞く (20人)
  5. スマホで字幕が見えないようにスマホを横にした状態で動画の音声を聞き、わからない時に字幕を見る (6人)
  6. スマホで字幕が見えない状態で動画の音を再生した直後に、文を復唱して、あるいは書き留めてから字幕を確認する (1人)
  7. その他 (字幕が見える状態で文字を書き留める; 1人)
大きく分けて、準備していない人、準備しているが動画の中で説明している "active recall" の方法を使っていない人、"active recall" (e, f, g)と分類できる方法を使っている人と、三つのグループに分けることができます。

アンケートで一番多かった回答は  d. (スマホで動画の字幕などを見ながら音を聞く)でした。この方法は、動画の中身を確認したり、自分にとって分かりにくい単語や言い方の意味を理解したりするためには良いだろうと思いますが、弱点もあります。つまり、「字幕などを見ながら音を聞く」だけなら、ディクテーションなどほど "active recall" (「Why I Make Videos in Portrait Orientation」参照)を活かした方法ではありません。

Why I Make Videos in Portrait Orientation」で説明しているように、縦に動画を作ると字幕をより大きく表示することができるというメリットがあります。しかし、このことよりも私自身が重要だと思っているのは、字幕を簡単に消したりつけたりする機能です。この機能の一番のメリットはディクテーション練習を容易にすることだと考えています。

みなさんにスマホでディクテーション練習をしてほしいという思いもあって、Moodleでディクテーションの小テストを実施しています。テストでは音声を聞いて言葉を書き留めますので、同様の練習をして準備することが最も効果的だろうと思います。もちろん、小テストで点を取ることは最終的な目標ではなく、英語をしっかりと習得することが長期的な狙いですが、その目標達成にはやはりディクテーションが非常に効果的だと思います。私自身も若い時にカセットテープを使ってかなりやりましたし、多くの語学学習に関する本などでとディクテーションが勧められています(『「英語の壁」はディクテーションで乗り越える!』など)。

長期的な目標はさておき、Moodleの小テストで思うように点数をとることができていなければ、ぜひディクテーション練習を試してみてほしいと思います。毎回のテスト範囲が1分半程度しかありませんので、頑張ればかなり点数が取れるようになるだろうと思います。ちなみに、この授業で小テストやQuizの最高得点の学生(Secret Name "1234")は active recall に分類できる方法(字幕が見える状態で文字を書き留める)を使っているそうです。字幕を見ないでやるとさらに効果が上がるだろうと思いますが、字幕が表示されていても書き留めるためには目を字幕から離し、思い出しながら書くことになると思います。このような方法で勉強している学生が一位になっていることは決して偶然ではないと思います。